人生のかわし方

日本はオワコン?日本もそんなに悪くはないと少し弁護しよう

はじめに

「日本は終わってる!」といった感じの意見を耳にします。
正直、僕も20代の前半くらいまでは、そう思っていました。

日本に対しての嫌悪感は、当時の僕には良いモチベーションでした。
外国語の勉強や仕事のスキルを上げる時には、その気持ちを燃料にして自分を動かしてきました。

でも各国を転々と移動して生活しているうちに 、「日本もそれほど悪くないないなぁ」と思う部分が出てきました。

なので今回は、日本に落胆している人に向けて、僕の日本もそんなに悪くない論を提示します。

旅行では30カ国程度行ったことがあります。
イギリス、ドイツには長期で住んでいました。 タイにも数ヶ月アパートを借りて住んでいたこともあります。
今はアメリカに住んでいます。
あくまで生活者目線でのサンプルのうちの一つですが、なにか参考にしていただければ幸いです。

なんで日本もそんなに悪くないのか

国民皆保険が素敵

日本で無職だった期間が僕にはあります。
イギリスから帰国後の7ヶ月間、ドイツから帰国後の2ヶ月間は無職でした。もっと細かい期間での無職タイムもありましたが、無収入で完全無職だった期間は大体これくらいです。
(この間助けてくれた母親には本当に感謝)

日本は、無職、かつ、前年の収入がないと保険料がとても安い。
記憶なので正確な数字ではないですが、月々2000円もしていなかったです。
毎月2000円で保険が効くなんて素晴らしい。

ドイツでは年間で6万円くらい(月々5000円程度)払っていました。
これもなかなか良心的です。

アメリカでは、月々500ドル(5万ちょっと)ほど払っています。
これは僕らが選んだプランにも関係しているのですが、これだけ払っていても最初の2000ドルは保険が適用されません。
2000ドル以上医療費がかかってはじめて、保険が適用された金額での支払いが始まります。
怪我や病気で破産するなんて余裕です。
ある程度収入があれば良いですが、低所得層にはかなりキツいシステムです。

収入があれば日本での医療保険の負担は増えます。
給与明細から天引きされている金額を見て、いつも心苦しい思いをしていましたが、怪我や病気で破産するようなことは日本ではそうそう起きないでしょう。

職業訓練が素敵

僕はドイツからの帰国後にプログラミングの職業訓練を受けました。
フルタイムで授業が受けられる上に、給付金が支給されます。
更に交通費もしっかり支給されます。
交通費を含めると毎月13万円程度支給されていました。

僕は途中で就職退校したので、受給期間は5ヶ月ほどでしたが、これほどの期間、勉強ができてお金も貰えるなんて、なんて素晴らしい救済制度でしょう。

授業の後に友達と息抜きで遊んだり、就職してからも繋がりが残っていて、良い出会いもあったと思います。

就職活動もそんなに悪くない

日本の就活は悪いイメージが強いでしょう。
というか悪いイメージしかないかもしれません。
かくいう僕も就活が嫌いで、新卒採用を捨ててイギリスへ逃げたので気持ちは良く分かります。

確かに仕事探しは大変ですが、自分がやりたい事、自分が出来る事が明確なら、大変だけど不可能ではないレベルの事です。

職業訓練を受けていた際に、何度か転職説明会や企業説明会に参加しました。
いろんなブースを見て、採用担当の人と話し、どんな人を探しているか聞いて回りました。
学生の頃は採用担当の人はなんかこわい感じがして嫌でしたが、この時はそんなに変わった気持ちはありませんでした。普通に人と話す、くらいの感じです。

今まで自分がやってきた事、自分が今やっている事、それらと企業がやっている事を照らし合わせて、相性が良いかと採用担当の人に直接聞いて、感触の良さそうなところに履歴書を送って見ました。
すると一社目で採用が決まりました。

IT企業でプログラマとして働いたのですが、入社当初は特に経験も技術もありませんでした。それなのに会社が、入社してから成長してくれれば良いよというスタンスで採用してくれるのは、そんなに悪い風土ではないと思います。

新卒採用で業務しながら勉強してね、というのは当然大変ですが、経験もスキルもない人を取る会社のリスクを考えれば、働く側にとっても悪いことではないはずです。

生活費もそんなに高くない

僕は札幌に住んでいたのですが、生活費がそれほど高くないので、かなり住みやすかったです。
街の中心に歩いていける距離にある新築マンションを借りていたのですが家賃が月々5万円くらいです。
すぐ近くには川と公園もあるし、地下鉄駅まで徒歩5分、とても良い環境でした。 近所のスーパーで食材も安く買えるし、旬の農産物や魚介類も抜群に旨い。
ファスト・ファッションなら衣類も安いし、100均の質もかなり高い。
居酒屋も安く飲めるし、味も悪くない。

地方都市という違いはありますが、収入に比べて生活費は安く、働いている間は金銭的に困ったことは一度もありませんでした。

やっぱ飯はうまい、そして安い

外食もうまさと安さは抜群だと思います。
こだわり抜いたレシピを格安で堪能出来るのは本当に幸せなことです。
仕事帰りや週末には、ラーメンやスープカレーなどを堪能しまくってました。
チェーン店も結構好きです。牛丼チェーンやサイゼリヤにはたまにお世話になっていました。
たかだか数百円で、これほどのクオリティで食事が出来るなんて素晴らしいです。
アメリカでは、ちょっとランチに行くだけで平気で数千円は飛びます。

娯楽の多さ、楽しいことがいっぱい

日本の街はたくさんの娯楽で溢れています。
繁華街に行くと24時間遊べます。
立ち並ぶ居酒屋やバー、カラオケにクラブ、更に趣向を凝らせた娯楽がたくさんあります。
ヨーロッパやアメリカにももちろん娯楽はありますが、日本ほどの密集さとバリエーションはないように感じます。

小さい街でも特色を出して、特産品や温泉があったり、自然もなかなか豊かでアクセスもしやすいです。

札幌に住んでいた時には、良く友達と定山渓(温泉)に行って、すすきので飲んで、締めにラーメン食べたり、更に遊んだりと、娯楽の限りを尽くしていました。今ではすごく懐かしく思います。

終わりに

本当の素晴らしさはすぐに見えなくなる

それぞれの場所には、その場所らしい良いところもあって、その場所なりの悪いところがあるだけです。

久しぶりに日本に帰ると、あーやっぱり良いなぁと思うことがたくさんあります。
それらは本当に些細なことで、言葉にも出来ないようなことです。
そういう日本の良さは、2週間くらいすると当たり前になって、良さとして認識出来なくなります。そして悪いところばかり目につくようになります。

社会問題と生活上の問題のすきま

当然日本には解決するべき問題が山積みです。
しかしそれは日本以外の国も同じです。

どこの国にも問題はあって、それを解決する為の行動は必要だけれども、いちいち悲観したりする必要はないと思います。
悲観して絶望的な気持ちになって、やる気を削がれるというのは、とても良くないことです。

根拠のない自信や盲目的な愛国心にはちょっと首を傾げざるを得ませんが、日本の良さをひとまず受け止めるのは、日本で生活していく上ではポジティブなものになると思います。

煽動的な情報や意見もいろいろあると思いますが、日本もそんなに悪くないかもということについて自分なりに考えてみました。

最後まで読んでくれた方、ありがとうございます。