人生のかわし方

【アメリカ生活】無職、アメリカで交通事故を起こした体験について語る

はじめに

今まで数回にわたり、車の購入に関する記事を書いてきました。
車を買い、登録し、保険に加入し、修理し、やっと運転が出来る状態になりました。

事務手続きの関係で、隣町に行く用事がありました。
片道車で1時間程度の距離です。
公共交通機関はないので、自力で行かないと行けません。
慣れない交通ルールに緊張しながらも、直したての車を運転して無事に到着しました。

しかし書類に問題があり、手続きはうまくいきませんでした。
うんざりしつつも、どうしようもないので家に帰ることにしました。

トラックと衝突

隣町からはハイウェイで山を超えます。
景色は良いですが、あまり見ている余裕はありませんでした。
車のヒーターは壊れていて、山を登ると車内も心無しかひんやりとして体も冷えてきました。

自分の町に戻ってきて、家まであと数キロという所で別のハイウェイに右折する道路がありました。
車線変更をするタイミングを失って、直進せざるを得ない状況に陥りました。

交差点で信号待ちで停車しています。
隣には巨大なトラックが停まっていました。

信号が青に変わり、僕は車を発信しました。
大きな交差点で、発信後にどの車線に入ればよいか混乱しました。
これから入る車線は、3車線の一方通行の道路です。

僕は発信後に、真ん中のレーンに直接入ってしまいました。

そこで車体の右側から、ものすごい衝撃が走りました。 そのままはじかれて、僕は左側の車線に車体が動きました。

ものすごいやってしまった感が全身に広がりました。

車を安全なところに避けて、車から降りました。
接触した相手はトラックでした。
自分の車の右側を見ると、後部座席のドアは潰れ、タイヤは破裂していました。

トラックの運転手が自分のところにやってきて、怪我はないかと尋ねました。
そして警察に連絡をしてくれました。

警察との対応

警察が事故現場に到着しました。

警察官に身分証明書と車の登録書、そして保険の情報を提示するように言われました。

僕は日本の免許証と国際免許、車の登録書を渡しました。
車の保険は、保険会社のアプリ内にある情報を見せました。
警察官はそれらを自分のスマートフォンで撮影しました。

警察官はトラックの運転手と僕にそれぞれ事情を聞きます。
僕は、自分がどういう経路を走ったのか伝えました。

どうやら僕が入るべき車線を間違えていたようです。

警察官は、僕に裁判所への召喚状を渡しました。
長いレシートのような紙で、罰金の金額と支払い期限などの情報が書かれています。
期限内に忘れずに支払うようにと、警察官は言いました。

そして警察官は、僕に相手の運転手の情報が載った紙を渡しました。
保険会社に連絡して、この情報を伝えれば、後の手続きは会社がやってくれるようです。
この紙は無くさないように、警察官はそう念を押しました。

車のタイヤが破裂していたので、積載車が必要になります。
警察官は、ツテが無いなら俺の知り合いの会社に連絡しても良いと言い、代わりに電話をしてくれました。

積載車はすぐに来ました。
壊れた車をどこに運びたいか聞かれました。

家に持って帰っても、修理屋に持っていくのにも、また積載車が必要になります。
するとまた手間がかかります。

警察官と積載車の運転手のアドバイスも受け、修理屋に直接持っていくことに決めました。

積載車の運転手の知り合いの店に連れて行ってもらうことになりました。

修理屋との対応

積載車の助手席に乗り、一緒に修理屋まで行きます。
車内はかなり散らかっていました。
助手席の前にグラビアのトランプが貼ってあったのが嫌に印象的でした。

修理屋に到着し、事務所に入ります。
ツバ付きのキャップを被り、明るい茶色の髭をたくわえた30代くらいの店員が対応してくれました。

必要な情報を書き入れ、彼に渡しました。
車を買ったばかりだということ、昨日エンジンの修理をしたばかりだということを彼に伝えました。
見た目はどうでもいいので、どうにか出来るだけ安い見積もりでできないかと、お願いしました。
どう考えてもこの身勝手なお願いを、彼は親身に対応してくれました。

見積もり結果は後日連絡するとのことで、修理屋を後にしました。

積載車の運転手は、次の仕事がすぐ入っているから家までは送ってやれない、そう言い立ち去りました。

一人残された僕は家まで歩いて帰りました。

保険会社との対応

家に着くとすぐに、保険会社に連絡しました。

ウェブサイトでも対応できるのですが、人と直接話したい気分でした。
カスタマーセンターに連絡し、事故を起こしたことを伝えました。

きれいな発音の女性が対応してくれました。
僕の頭の中では若い黒人の女性が電話相手でした。

事故の内容や相手の情報を彼女に伝えました。
電話対応はとても親切な感じでした。
例え仕事だとしても、対応中の心使いや優しさに心に染みました。

必要な情報を伝えると、後は保険会社で対応するのでご安心ください、ということになりました。

妻と

保険会社に連絡した後、妻に電話をし、事情を伝えました。
電話後は、妻の職場に行き直接話すことにしました。

怒られるだろうなと思い妻に会うと、かなり心配した様子で、怪我が無くて良かった、と何回も言っていました。
妻は上司に話し、仕事を途中で抜けることになりました。

一緒にスーパーに行き、フードコートで軽食とコーヒーを頼み、席に着きました。
周りを見ると日常的な景色が広がっているのに、心の中ではなんとも落ち着かない気持ちが広がっていました。
大きな後悔と強い不安に頭が満たされています。

それでも妻と話し、軽く食事を取ると、不思議なことに少し気分が回復しました。

裁判所での対応

裁判所に寄り、罰金を払うことにしました。
裁判所の窓口に行き、警察官から渡された裁判所への召喚状を渡しました。

これを支払うということは、過失を認めることになりますよ。
それで問題無いですね?と窓口係の人は僕に確認しました。
なんだかアメリカ的だなと感じました。

さっき起こした事故なのでまだデータが反映されていませんでした。
なので支払いはまだできなかったです。

罰金の支払いはオンラインでもできる、というちょっと衝撃な言葉が窓口係から出ました。
アメリカ的な合理主義です。

後日、オンラインの裁判所でデビット・カード払いで90ドルの罰金を支払いました。

終わりに

僕のミスで多くの人に迷惑をかけました。
相手のトラックの運転手には本当に申し訳無いなと思います。

事故の際に思いやりを持って対応してくれた人には頭が上がらないです。
僕は過去にいろいろな国を周りました。
窮地に立った人を狙って、騙したりしてくる人たちにも会いました。
なのでこれはあたり前ではないと思います。

アメリカ的な余裕ある思いやりに助けられました。

事故後は、精神的に思い日々を過ごしました。
今まで蓋をしてきた不安やストレス、そして自身の無さが急に表面化しました。

しかし今はだいぶ気分が落ち着いて来ました。
かなり辛い体験でしたが、得たこともいくつかあります。

まずは、妻への愛情が増しました。
そして、精神的にへこんでもちゃんと回復できる経験を得ました。
窮地に立ったからこそ、少し違う視点で物事を感じることができました。

かなり長い文章になりました。
最後まで読んでくれてありがとうございます。