人生のかわし方

【海外在住4年目の僕が伝える】だれでもできる!洋書を楽しく読む方法

洋書の読み方

なにを読むか

本には様々なジャンルがあります。
そのジャンルによって読み方は異なります。
学術書なら精読するべきだし、ビジネス書なら主張が大切なので読み流す部分を判断することが大切です。
今回は誰にでもできる物語の読み方について説明します。

更に詳しく言うと、この記事はこんな方を対象に書いています。
・これから洋書を読もうとしている方
・ペーパーバックに挑戦したけれどあきらめてしまった方

物語の読み方

物語を読む場合、なにがキーになると思いますか?

ストーリーで大切なのは、この2点です。
・キャラクターはどう感じたのか?
・誰がなにをしたか?

まずはこれを押さえることが大切です。
この2点さえ分かれば、物語の進行を把握することが出来ます。

物語の読み方を更に詳しく

例をあげます。

メロスは怒った。     (キャラクターはどう感じたのか)
だから王様を殴った。   (誰がなにをしたか)

王様は殴られて怖くなった。(キャラクターはどう感じたのか)
だから王様は逃げた。   (誰がなにをしたか)  
これだけで話の流れが把握できます。
文学的な物語だと、修飾的な言葉や比喩がこれに加わります。
 
 
上記の文章に、表現を加えます。

メロスは春のモルダウ川のように怒った。
だから王様を殴った。それはさながら冬眠あけの月の輪熊のようだった。

王様は殴られて、口中に血の味が広がり、怖くなった。
だから王様はサバンナのシマウマのように逃げた。
 
 
日本語なら意識せずとも簡単に読めるでしょう。
しかしこれが英語ならどうでしょう?

知らない単語や表現があるかもしれません。
物語を読んでいて急に出てきた訳の分からない言葉に混乱するでしょう。

モルダウ?なんで急に熊の話になる?サバンナのシマウマだと?」
このような比喩は物語を豊かにしますが、時には読者を混乱させます。

しかしこの2点を押さえておけば混乱を抑えることができます。
・キャラクターはどう感じたのか?
・誰がなにをしたか?

「なるほど。メロスは怒ったから王様を殴ったのか」と、これだけ理解できれば物語の本筋を追うことができます。

外国語の本を読む場合、最初は本筋を追えているだけでかなり楽しいです。
完璧主義にならないことが大切です。

物語の読み方を抽象化

(よく分からなければこの部分は飛ばしても大丈夫です)

少し抽象化します。

・A が B だ。

    ↓

・A → B

英語の流れは、「A→B」です。
主語がなにをしたか。主語はどういう状態になったか。
そこに副使や形容詞が加わり文章に情報を足していきます。

英語のボキャブラリーは非常に豊富です。
年代や国によっても使われがちな言葉に偏りがあります。

もちろん全ての言葉を知っているのがベストですが、それは難しいです。
楽しく読む為には、まずは基本の「A→B」だけ押えておけば大丈夫です。

楽しさが鍵

何より一番大切なのは、読んでいて楽しいと思えるかどうかです。

楽しいから読むし、また読もうと思う。
楽しいから別の本を読みたくなるし、もっと知りたいと思う。
楽しく読むために、知らない言葉を調べたり、勉強したりする。

楽しさから全ては始まります。
インセンティブのない所に継続した努力はありません。
楽しいから、それはもう努力ですらないのです。

そうなればしめたものです。
あとは地道にハシゴを上がり、どんどん上達します。
言葉もスラスラ頭に入るし、ちゃんと情景も浮かびます。
一つ一つの単語のイメージもしっかり着きます。

わざわざ原書を読むような人は、相当な文学好きだと思います。
作者が書いたそのままの感触を味わいたい。
間に翻訳者を挟まず、直接その文章と対峙したい。
だからこそ原書を手に取るのだと思います。

副産物的に英語も上達します。
しかし文学作品で英語を鍛えるのは、どちらかと言えば遠回りです。
ニュースや文献をガシガシ読んだ方が英語力は鍛えられます。
分野により語彙は限られるので、すぐに慣れますし、文学ほど突飛な内容はあまりありません。

情報ではなく、その触感を味わいたい。
楽しく読みたいからこそ原書を手に取るのです。

おすすめの本のタイプ

洋書を買うのも昔に比べればとても簡単になりました。
その中でもおすすめの本のタイプをいくつか紹介します。

おすすめのは、こんな感じの本です。
・話の大筋を知っている本
・難しい言葉を使わない本
・薄い本

話の大筋を知っている本

映画になっている話や古典などいろいろな本があります。 一度日本語で読んだことのある本を英語で読み直す方法もおすすめです。
これなら本筋から大きく外れることはありません。

たとえ難しい部分が出てきて分からなくなってしまっても、物語の中心に帰って来ることができます。

難しい言葉を使わない本

子供向けの本は語彙が限られているのでおすすめです。
ハリーポッターなどは子供向けですが、大人が読んでもかなり楽しく読めます。JK・ローリングの文章はかなり鮮明で、ハリーの心情表現やキャラクターの動きに関する動詞選びが秀逸です。
幅広い言葉を使うので思ったよりも大変かもしれませんが挑戦する価値はあります。

ペンギン・リーダーズやラダーシリーズの本もおすすめです。
レベル別に分かれているので手に取りやすいでしょう。

公式サイトへのリンク:
ペンギンリーダーズ
ラダーシリーズ

薄い本

一冊読み切ると自信になります。
ペンギン・リーダーやラダーシリーズの本は比較的薄めになっています。

短編集もおすすめです。
話を一つでも読むと最初はちょっとした達成感が湧きます。

逆におすすめしない本のタイプ

文豪が書いた本はおすすめできないです。
文章表現や感性が豊か過ぎて太刀打ちできないでしょう。
なのでいきなりチャールズ・ディケンズやフィッツ・ジェラルドに手を出すのは厳しいです。
日本語勉強中の人がいきなり夏目漱石森鴎外を読むのが大変なのと同じです。

ハードなSFの本もおすすめはできないです。
SFは話の流れが常識から外れ過ぎていて読むのが大変です。
まずは一般的な常識の中で物語が進むようなものが良いです。

とりあえず一冊無料で読める本をおすすめしておきます

読むならアマゾンが良い

アマゾンでは版権の切れた昔の本を無料で読むことができます。
購入した本はブラウザでそのまま読むこともできます。
また、ダブルクリックで単語を調べる機能もあります。

キンドルのアプリ版もあるのでスマホやパソコンで読むことも可能です。

キンドルを持っている方は当然キンドルで読めます。

不思議の国アリス

この本は版権切れの本です。
無料で読むことができます。

ページ数は挿絵を含み30ページちょっとです。 語彙は比較的限られています。

注意する点が一つあって、導入部分に歌というか詩が入ります。
この部分は軽く読み飛ばしても大丈夫です。

最初の数ページを読んでこんな感じに理解できればそのまま読み進めてオッケーです。

アリスは退屈していた。
そこにウサギが出てきた。
アリスはウサギを追っかけた。
そして穴に落ちてしまった。

Alice's Adventures in Wonderland

終わりに

中学を卒業するあたりに、僕ははじめて洋書を手に取りました。
はじめて手にしたのが、スティーブン・キングのDifferent Seasonsでした。
ショーシャンクの空やスタンド・バイ・ミーなど4編が入っている中篇作品集です。

中学で英語を3年間勉強したのだから、本の一冊くらい読めるだろうとタカをくくり図書館で借りました。
結果は撃沈でした。
いくらページに目を通してもなにも頭に入ってこなかったのを覚えています。
大きな無力感を感じたのをなんとなく覚えています。

それから高校生の時に格好をつけてペンギンリーダーズやラダーシリーズを読み始めました。

その後大学は英文科に進み、19歳の時にやっと一冊読み切りました。
一冊読み切るの1カ月かかりました。
当時バイトをしていたお店のレジの中でこそこそ読みました。
はじめて読み切ったサリンジャーの「キャッチャー・イン・ザ・ライ」は個人的にかなり思い入れがある一冊になりました。

みなさんも思い入れのある深い作品を楽しんで読めるよう応援しています。